ボナンザの開発者は将棋の実力は初心者レベルだそうですが、過去のプロの棋譜が沢山あれば強いコンピュータ将棋ソフトは作れるのでしょうか?
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ゲームの対戦ソフトは、評価関数を作る過程で膨大な手間がかかります。
よくやるのが、異なる評価関数のコンピュータ同士の対戦ですが、それだけでは駄目で、人(自分)が相手になって対戦したり、人が指し手の善悪を評価したりして、評価関数を調整する必要がありますから、自分がそのゲームにある程度熟練していないと、なかなか強くなりませんし、自分より強くなっても、それ以上強くするのに難儀します。
ボナンザの作者は、その調整に自分が相手するのではなく、プロの棋譜を利用したのではないでしょうか。それなら、自分の実力による壁がなくなります。
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実際に作った人がいる以上、作れるのでしょう。
将棋は初心者であっても、プログラマとしてかなりの設計能力を備えていればなんとかなるということですかね。手を平均化させるというのは、将棋の才能とは別の才能ですから。むしろ強い人の意見が反映されたロジックで動いていたことが、コンピュータの棋力上昇を妨げていたと言う人もいます。人間とコンピュータでは思考の過程がまるで違うので、無理やり人間の考えを押し付けでも上手く機能するとは限りません。そもそも強い人の持論自体が、ソフトの挙動として正しいかどうかも謎ですし。
以下、おまけです。
過去のプロの棋譜のみに頼った場合、理論上は、棋譜のデータが多ければ多いほど、棋譜が採用されたプロの平均の実力に近づくということになります。ただそのままでは、一手バッタリの手を指してしまったり、簡単な寄せを逃してしまったりするので、そのようなミスを回避するロジックを組み込んで強化する必要があります。初心者の場合は「一手バッタリの手」や「寄せを狙うべき局面」自体の判断が出来ないので、そこら辺りは経験者の指示が必要になります。しかし、経験者であっても上記のような判断を一般化させることができるとは言いがたく、多少は良化させることができる程度というのが現状であり、今後のソフトの課題です。結局、将棋の経験は今はまだたいして生きていない(むしろソフトの可能性を潰しているかも?)とも言えます。
一方、「即詰みの処理」や「定跡の利用(定跡は正しいとは限りませんが、ベースが平均プロである以上上積みになります)」なんかは初心者であっても可能ですので、上積みさせることが出来ます。この点はプロと違って間違えることがないので、確実に強くすることができるポイントです。
ちなみにこの手法の行き着く先の実力は、定跡や詰みでポカのない平均プロです。プロの棋譜を利用している時点で、将棋の神様にはなれないのではないかと思います。
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